最近父が亡くなったりしてバタバタしていて、コメントを頂いても返事を書いたりいしていなかった。
申し訳ないとおもう。

それで。
私、いまラジオ体操をやっていて。
少し前ラジオ体操についての簡単な記事を書いた。

ラジオ体操のススメ 解説付きなど、さまざまな動画を集めてみた

ラジオ体操は高齢者に危険か?

それについて、体操が高齢者にとって危険だといわれている、といういう情報をおしえていただいた。
今回はそのことについて考えてみたいと思う。

父のお葬式が終わったあと母が言ったことをまずは書いてみたいとおもう。
ちなみに母は既に90近いんだが。
散歩とラジオ体操だけは欠かさないという人である。
また教員をやっていた関係で、ラジオ体操を子どもたちと一緒にやっていて。
教える立場にいた。

母が言うにはラジオ体操というのは日本の最高レベルの体育専門家が集まって作ったもので、非常に完成度が高い。
しかし、それが効果的であるためにはポイントを押さえて体を動かさなくてはいけない。
そうすることで体の要所要所に効いて。
体が柔らかくなったり血行が良くなったり、筋肉が鍛えられるんだと。

適当にやっても効果がないばかりか、変に体を動かすと怪我のもとになって危ないとのこと。
たかが体操だと馬鹿にしてい人がいるがその運動量はかなりのものであり。毎日やることで心肺機能が強化される。
ラジオ体操が良いところは疲れたら休めば良いところで。
きっちりやらなくてはいけないが、疲れたら休む、出来ない動作があったら、背筋を伸ばすとか、腕を指先まで伸ばすとか、そういうふうに形をきちんとした上で、途中までで動作を止める、など。
あくまでも自分にあった形で行うべき。
きちんとできるまでは決して無理をしてはいけない。
毎日やってきっちりとできるようになったらあとは時間があるときに自分でやればよいし、そうすることで健康が保たれる。

引用元
https://pid.nhk.or.jp/event/taisou/taisou.html

つまり高齢者でなくてもきちんとポイントを押さえて体操をしないと体を痛める可能性は常にあるということだ。
また無理をしてやると体に負担がかかる。
体操の良いところは自分のペースでできることだ。

それらの注意事項は何も高齢者に限らない。

週刊現代の記事?hmmmmmmmm

どうしてそんな説が流布したのか少し漁って見たら。
どうも最近の説は「週刊現代」の記事が元になっているようである。
私ははっきり言ってまた週刊現代かよ、とおもってしまった。

週刊現代には以下のように書いてあるという。

「週刊現代」2017年6月24日号で、「実はラジオ体操は『膝』と『腰』を痛めます」との記事が掲載された。朝の運動としてラジオ体操と散歩を10年近く続けていた72歳女性が、昨年から膝の痛みに悩まされるようになった。日課のラジオ体操は続行したが、だんだん痛みが強くなり、病院に行くと「変形性膝関節症」と診断された。「加齢とともに軟骨がすり減ると、半月板が損傷してバラバラになる。その破片が側副靭帯を圧迫して痛みを感じる」との説明だ。この女性の膝に負担をかけ、関節痛を悪化させていた一因がラジオ体操だったそうだ。「跳躍を伴うラジオ体操の動作は、膝に不安のある人には向いていない動き」との、南新宿整形外科リハビリテーションクリニック院長・橋本三四郎氏のコメントを紹介している。

また64歳男性は、朝礼前のラジオ体操で「思い切り前屈をした瞬間、腰に刺すような痛みが走って…」、病院で椎間板ヘルニアと診断されたという。「急激に腰を動かしたことで、ギックリ腰の症状が出てしまった」のだ。(ラジオ体操は高齢者に危険って本当? 「膝に負担」の一方で「長寿の源」の声

こういう話は母親の話からもわかるように、何事も過剰なことをやれば体を痛めると言うだけであって。
ラジオ体操が体に悪いということにはならない。

むしろこの記事に載せられているNPO法人「全国ラジオ体操連盟」の話のほうが説得力がある。

ラジオ体操の普及を行なっているNPO法人「全国ラジオ体操連盟」は、「65歳以上に向かないのか」との質問に、ウェブサイト上で見解を示している。

「これまでも65歳以上の数多くのご高齢の方々が実践されてきました。この方々がラジオ体操を実践する中で支障を来すようであったなら、これほどの長期間にわたっての普及・継続はなかったものと考えます」

「ラジオ体操の基本方針は、『いつでも、どこでも、だれでも』が手軽にできる健康体操であって、誰からも強制されずに行えるところがよく、体の各部分を万遍なく動かせ、行った後で気持ちがよいものを、との方針に基づいてつくられていることから、これほど多くの国民に親しまれたことが定着の要因と思われます」

しかもラジオ体操の危険を垂れ流しておきながら、それを引用した医師は

2016年、「ラジオ体操は65歳以上には向かない」(太田出版)と題した書籍が出版された。筆者は戸田整形外科リウマチ科クリニック・戸田佳孝院長だ。クリニックのウェブサイトで、「高齢者にはひざを伸ばす筋力トレーニングが欠かせないのです。しかし、ラジオ体操は上半身(腕を回すなど)の運動が中心で、ひざを伸ばす筋肉を鍛える運動がありません……とくに、ひざが痛む人の多い高齢者には、ラジオ体操はあまり向いていません」と主張している。ただし、続けてこう説明していた。

「ラジオ体操をするにしても、その点をよく理解したうえで行い、足りないところは適切な運動で補うべきなのです

もっとも戸田院長は、2016年6月18日付の朝日新聞デジタルの記事で、「ラジオ体操は高齢者に悪いわけではなく、それだけで十分だとするのが危ないのです」とコメントしている。

切り取りはマスゴミの常とはいえ、都合のいいところだけ切り取った記事。
ちょっと視野を広げてみれば、「実はラジオ体操は『膝』と『腰』を痛めます」というタイトルはおかしくないか?という疑問を持つのは私ばかりではないだろう。
こんな煽り記事で手軽にでき、無料。かつ体にも良いラジオ体操をやめてしまったらとてももったいない。マスゴミの誘導には気をつけないといけない。

 

ただしラジオ体操は確かに膝の筋肉を鍛える動作は少ない。
だがあとにできた「みんなの体操」にはそのあたりも改善するような体操も組み込まれている。
またラジオ体操が絶対とか、そういう話ではない。

当然習慣化しやすいラジオ体操とは別に様々な運動をするべきなのである。
そんなこと当たり前だろうと私は思ってしまう。

週刊現代は危険を煽って読者の興味を引く記事を沢山配信している。

たとえば以下なんかは直の週刊現代のウェブ記事。

安易な気持ちで始める「ウォーキング」が、あなたの老後を破壊する

ウォーキングは体に良いという常識をくつがえすための極端な例がこれでもかと紹介されている。
やりすぎが良くないのは当然として、歩くことが運動不足の人にとって手軽で安全な健康法であることは間違いがない。
歩くぐらいで老後が破壊される訳がないではないか。

健康問題で危険を煽る記事は量の問題を完全無視している

話はそれで来たのでこれで終わりにしたいが。
90歳の私の母親が毎日ラジオ体操をしているというこの事実をとってみても「ラジオ体操は『膝』と『腰』を痛めます」というのが煽り文句でしか無いことがわかる。

だいたい危険を煽る輩がやるのは量の問題を無視すること。

以下の記事にも書いたが。

フードファディズムとヤマザキパン問題 科学的考察が私達の命を救う 不安を煽る情報には気をつけよう

一部引用をしておく。

長村洋一さんが別のところでヤマザキパンについて、毒があると批判した「ヤマザキパンはなぜカビないか―誰も書かない食品&添加物の秘密」について。
これは安部司のやり口と同じ詐欺的なものだと書いていた。

ヤマザキパンはなぜカビないか

及び

ヤマザキパンはなぜカビないか

である。

この著書はヤマザキパンの問題指摘以降はいつもの食品添加物排斥記事と同じ論調で、最初から最後まで“量”に対する概念がまったくない。まさにそのような著者の稚拙な論理思考を露呈する文章として “しかし、摂取する添加物の量が少なければ影響ないといえるのでしょうか。大量投与によって、動物が死亡したり、がんになったり、臓器が機能しなくなるというのはかなり強い毒性をもつということです。” と言った一文が最後の方にある。この著者は私などより、はるかにメディアや一般市民からは正義の人と位置づけられているだけに、毒性学の基本的概念「どんな化合物も、それが毒物になるかならないかはその量に依存する」を勉強していただきたく感じている。

食品だったらほぼどんなものであっても毒にもなれば薬にもなる。
危険だの裏側だのと言った不安を煽るものには量の概念がないというのはよく言われることである。

食品トンデモ説の殆どは量の概念を無視しているのである。
それと同じ様に運動だってやりすぎたら勿論体を傷める。

ラジオ体操はとてもすばらしい。
私はみんなの体操と第一第二を一回でやっているが。
もし大変であれば決して無理をせず、取り組んでいただきたい。
勿論ラジオ体操程度じゃ物足りないと言うんであれば更に筋トレなどをしたら良いのである。

今回は以上