私達を健康にしてくれるサプリではあるが、騙しが多すぎる。
その手前で国が毅然した態度で基準を設け、問題があるサプリメーカーを処罰してくれれば良いんだが、日本の場合は殆ど規制がない。

成分の内容以前にその手前の表示方法のことにさえ文句を言わなくてはならないのは非常に残念だ。
それだけ甘い基準がまかり通っている日本のお役所仕事には腹が立つ。

実質野放し状態なんで、サプリ製造メーカーや販売業者は効果を盛り放題。
当然誇大広告宣伝も野放しだ。

かと言って本当にサプリ成分の内容を吟味しようと思ったら臨床実験の研究報告まで読む必要がある。
読む価値はあるけどね。大変だ。

今回医療系グーグルアップデートの結果、個人の立場からサプリや医薬品を評価し、分かりやすくまとめた記事を書くサイトの多くがパージされて、評価を下げた。
わかりやすいと言ってもエビデンスに触れない記事とかステマ記事が多すぎたからこそほとんどの記事が飛ばされたんだけど。
その煽りでまともなサイトも一緒に飛ばされた。

だからこのサイトも皆さんの目に触れる可能性が少なくはなっていると思うけれど。
やはりそういったことを噛み砕いてまとめた記事は忙しい方々には必要なものだと思うので。
わたしとしてはめげずに頑張っていきたい。

 

今回は騙しフレーズの一つである「天然だから素晴らしい、化学合成だから危ない」ということについて少し書いてみたい。

ビタミンCで考える・・・天然であれば素晴らしいのか?

ビタミンC を調べていたときにおもったんだが。
天然ビタミンCだから素晴らしいんですよ、効果が違います、という宣伝を多数見かけた。
また合成ビタミンCにはL体とD体が混じってるからダメ,という意見もあるんだとか。
こんな感じでネット上では様々な議論があるようだ。

といううことで・・・・・はじめに天然ビタミンCと合成ビタミンCって何が違うんだろうか?
と疑問に思って調べてみた。

ビタミンCの場合構造が単純でかつありふれているので簡単に作り出せる。
もちろん簡単だなどとは、今だから言えることであって、100年前にはビタミンCの存在すら知られていなかった。

 

引用元
By Yikrazuul – 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5886009

現在市場で販売されているビタミンCはその9割がとうもろこしの糖を原料として作られている。
そして残りは柑橘類などから抽出されたものである。

 

それで、柑橘類から抽出されたものを天然。コーンスターチから作られたものを合成と呼んでいる。
製法の違いではたして「天然」のもののほうが素晴らしいのかをこれから観ていきたい。

ビタミンCの製造法について

簡単に合成できるなどとうっかり書いてしまったが、どのようにして作られるんだろう?
と思って調べてみたら、詳しく調べている方がいらっしゃった。

労作だ。素晴らしい。私もこういう記事を書けるようになりたいものだ。
以下の記事である。
ビタミンCの製造方法を調べてみた

それで詳しくはこの記事を直接ご覧いただきたいんだが。
細菌を使っての製造法に関して一部画像を拝借させていただくと。

引用元
https://hakkou.kuni-naka.com/2508

 このように、D-グルコースからアスコルビン酸が作られるようであるが。
その過程では生成を速め、できるだけロスすることなくアスコルビン酸を製造するために、様々な菌を使うやり方があるんだという。
2,5-ジケト-D-グルコン酸を単一の菌でつくり、さらに、2,5-ジケト-D-グルコン酸をその次の2-ケト-L-グロン酸にするには、また別の菌を使うとか。

また更に効率を高めるために一部微生物ではなくて化学反応を用いる製造法があるとのこと。
どうもこちらのほうが主流らしい。

まずその第一段階としては。グルコースを高圧条件下で金属触媒を用いて水素添加をすることによって糖アルコールと呼ばれるソルビトールに変える。
その上で細菌を使ってアスコルビン酸にしていくと。こういうことらしい。
こちらのほうがコストが節約できるのかな?

ちなみにソルビトールはフランス語の“ナナカマド=ソルブス”から命名されたもので、バラ科のナナカマド(七竈)の赤い実から発見された天然物質。
抽出したソルビトールを発酵させてL型アスコルビン酸=ビタンミンCを合成する。

私なりにまとめてみると。

ビタミンCの材料になるのはグルコース。
このグルコースはブドウ糖とも呼ばれ、商業的にはとうもろこしから作られるコンスターチから作られる。
とうもろこしが原料だと言われるのはこのためである。
そしてこのグルコースを数種類の微生物を使ってアスコルビン酸に変化させる。
もしくは最初にグルコースを糖アルコールに変えてから、菌を使って反応をさせてアスコルビン酸に変える。

でもウィキで確認してみたら

L-アスコルビン酸はグルコースを原料として、主に2通りの経路で製造される。1930年代に開発された ライヒシュタイン法では、1段階の発酵のあとに、化学合成へ移る。より新しい2段階発酵法は、もとは1960年代に中国で開発された方法であるが、そこではその化学合成の後ろのほうの段階も酵素反応で置き換えている。どちらの経路も、用いたグルコースから約60%の収率でアスコルビン酸を産出する。全世界におけるアスコルビン酸の年間の生産量は約110,000トンにのぼる。

とあってどうも上記の解説とは違っているような気もするが、書いている意味がよくわからないので、今回は深入りしないことにする(^^ゞ
いずれ・・・・・

わかったことは合成ビタミンCは石油からできているだとか、そんなことはないということ。
化学反応と言ってもブドウ糖を天然でも作られるソルビトールに変えるだけであって。
酵素反応となんら変わることがないんじゃないかと思う。

また「合成ビタミンCにはL体とD体が混じってるからダメ,」という説については上記の製造過程ではわからないけれども。
そもそもビタミンC というのはアスコルビン酸の4つの異性体のうちL-アスコルビン酸のことだけを言う

ビタミンC (vitamin C, VC) は、水溶性ビタミンの1種。化学的には L-アスコルビン酸をさす。生体の活動においてさまざまな局面で重要な役割を果たしている。(ウィキ)

ということなんで、D-体が混入することはありえないと思う。
混入したらビタミンC とはもはや言えないからだ。
よく化学合成を行うとL-体とD-体が半々づつできるラセミ体をイメージすることからそういった誤解、もしくは騙しが蔓延しているんだと思うが、そういう記事及び宣伝は全く信用ができない。

ちなみにアスコルビン酸(AsA)の異性体は以下。

・L-xylo-AsA(ビタミンC)
・D-xylo-AsA
・L-arabo-AsA
・D-arabo-AsA(エリソルビン酸)

エリソルビン酸はアスコルビン酸と同程度の抗酸化性を示すけれど、いわゆるビタミンCの働きのような生理活性はアスコルビン酸の1/20程度。
L-arabo-AsA、D-xylo-AsAは自然界には存在しない。

 それでも合成ビタミンは天然とは違うという人がいる。

ペットボトル茶は危険!発がん性の合成ビタミン大量含有、粗悪な中国製添加物も

合成ビタミンCと自然の食品に含まれるビタミンCは、まったく異質のものであると理解しておいたほうが健康のためである。たとえば、がん細胞をつくる原因になる活性酸素を、ミカンなどに含まれる天然のビタミンCはほとんど発生させないが、人工的に作られた合成ビタミンC(L-アスコルビン酸)は大量に発生させる。天然のビタミンCには活性酸素の発生を抑える酵素が含まれているからだ。酵素は分子構造式(いわゆる亀の甲)には現れない。いくら合成ビタミンCが天然のビタミンCと化学式が同じでも、安全性が同じとはいえないのである。

この記事を書いたのはとんでも食品ジャーナリストと言われている郡司和夫センセ。
郡司和夫センセについては名前で検索してみると面白い記事を読むことができる(^^ゞ

化学式が同じでも安全性は同じだとはいえない、などと書かれると開いた口が塞がらない。
こういうのを読むと記事を書いた人も書いた人だが、チェックしたはずの編集者の頭もどうかしていないか?
一見信頼できそうなBusinees Journalではあるが、気をつけて読まなくてはいけないなあって改めて思う。

殆どの動物は体内でビタミンCを合成することができる

ビタミンCは殆どの動物では体内で生成できるのに。
人間の場合にはある時アンモニアの体内最終生成物を尿酸に戻したときに、同時にビタミンCが作れなくなったそうだ。

これは尿酸とアスコルビン酸が同じ働きをするからだ。
ということなんだが。

霊長類のヒト上科では尿酸オキシダーゼが欠損すると共に、霊長類の直鼻猿亜目ではアスコルビン酸(ビタミンC)合成も欠損している。これは尿酸が抗酸化物質として部分的にアスコルビン酸の代用となるためである尿酸とアスコルビン酸は強力な抗酸化物質(還元剤および酸化防止剤)である。ヒトでは、血漿中の約半分の抗酸化物質は尿酸から来ている。(ウィキ)

正確に言うと尿酸をさらに安全なアラントインという物質に変換する機能(尿酸オキシダーゼ)は持っているが、その機能を停止させてしまったということだ。(つまり退化した)
と同時に、ビタミンCを体内で生成する機能も失った。

このこと別記事にも簡単に書いた。

詳しくはまた別記事にしてみたいが・・・
いずれ作れない動物の方が少ないのに人間はビタミンCを体内で生成する機能を失った。

そこで外から取り入れなくてはならなくなったビタミンCだが。

人間はビタミンCを体内で合成することができないが。
それは人間の場合ビタミンC生合成経路の最後に位置するL-グロノラクトン酸化酵素(GLO)を作るための遺伝真意変異が起きてしまっているから。
これがないとビタミンCは合成されない。

殆どの動物はL-グロノラクトン酸化酵素(GLO)を持っていて、それができる。

引用元
http://www.vit-c.jp/vitaminc/vc-02.html

 このビタミンCの生成経路を観て見ると、合成ビタミンC が天然のものとは違うという説に対する有力な反論がある事がわかる。

先ほど紹介をしたビタミンCの製造方法を調べてみたをもう一度引用してみる。
と言うのもD-グルコースのビタミンC 直前までの代謝経路を書いたものが他に見つからなかったからである。
ネット情報は意外に浅く不便な場合がある。

この方はおそらくは書籍を引用していらっしゃると思う。

ここでの内容は、動物が体内でビタミンC を作る過程と、発酵によるビタミンC合成の過程はほぼ同じだということ。
もしそうであれば、合成ビタミンと言われている物は安全なはずだ。と言いたいがための引用である。

体内で作られるものは天然だろうが!
だとしたらほぼ同じ過程を踏んで作られるビタミンCの安全性に問題があるとか、そういうことを言えなくなると思う。

 

肝臓には、グルコースを分解していくウロン酸経路という反応経路があり、アスコルビン酸の製造方法の全行程の概要でできてくる物質とは中間物質が違っています。

しかし、途中、中間物質として2-ケト-L-グロン酸にとても近い、L-グロン酸ができます

2-ケト-L-グロン酸はアスコルビン酸の前段階の物質でした。

両者の違いは、2-ケト-L-グロン酸の構造式の上から2番目のケト基(C=O)が(HOーCーH)に変わっているだけです。

引用元
https://hakkou.kuni-naka.com/2508

L-グロン酸がもとになって、L-グロノラクトン、2-ケト-Lグロノラクトンと変化し、ビタミンC(L-アスコルビン酸)ができます。

しかし、ヒトを始め、ビタミンCを合成できない動物は、L-グロン酸の次のL-グロノラクトンまではできますが、そこから先に進行しないのです。

L-グロノラクトンオキシダーゼという酵素が欠けているためにビタミンCを合成することができません。

いかがだろうか?
そもそも最終生成物であるビタミンC の化学式が同じだったら天然であろうと合成であろうと同じものだと思うのがふつうの感覚だと私は思うんだが。
ことサプリ成分の場合、なんとしても天然が良い!という方がいるので、合成とはいえ、作られる過程ですら体内合成と同じですよ、と念を押してみた。

ただ合成の場合には不純物が紛れ込むかもしれないが、それは天然のものと同じことなので、別の話である。

まとめ

同じビタミンC でも天然と合成型では全く違うという説があり、ネット上でも幅を利かせている。
だが、調べてみるとビタミンCは天然であろうと合成であろうと同じ構造を持っている。

同じ構造を持っていたとしても違うはずだ、と主張する人たちに対しては何も言うことはないが。
でも繰り返しておこう。

ビタミンCそのものについては同じ化学構造を持っている限り合成であろうと天然であろうと同じものなのである。

またビタミンCである限り必ずL-アスコルビン酸のことだけを言う。
D-体など混合されていればそれはビタミンCとは言わない。

これはビタミンC の定義なのである。

天然と合成がもし違うとすれば天然型は柑橘類などの果汁を抽出して作るので不純物(他の養分)が多いということ。
フラボノイドなど体に良いものも含まれているが、その分ビタミンCの純度が低い。
そういう成分との相乗効果によって効果が高まるということはあるかもしれないが。
それは全く別な話である。
ビタミンCそのものの効果が違うわけではない。

不純物ということについて言うと、合成ビタミンC が体に悪いという場合には加工の過程で不純物が含まれている可能性があると言うことだろう。
実際中国製はビタミンCの製造過程における純度に関してはいまいちだという話も聞く。
でも純度に問題があるものは検査工程で弾かれるので、心配する必要はないと思う。

もしどうしても心配だったら、若干高いが、医療用に使われているビタミンC の原末を買えばよい。

ちなみに別記事に書いたものを再掲しておく。

ビタミンCのサプリは形態が違っても効き目は同じ!って知ってましたか?油溶性でも体内で分解!経口摂取に効果なし!

オレゴン州立大学のサイトの中のライナス・ポーリング研究所微量栄養素情報センター内のビタミンCの項目

ビタミンC にはさまざまな形態のものがあるけれど。
どれかの形態が他の形態よりも優れているという科学的証拠はほとんどない。

天然であれ、合成であれ、L-アスコルビン酸は化学的に同一であるから、どれかがよりよく吸収され、より効果的であるといった差異はない。
その生物学的活性または生物学的な利用能力は同じだ。

ビタミンCであればそれにどんな加工をしていても、ビタミンC部分の働きは同じだと言っている。
その他、体内に取り込むために有利ということで、さまざまな化学加工を施したビタミンCもあるが、これについても経口摂取に限っては加工していてもしていなくても吸収のされ方は同じであると書かれている。

そういうことだったらビタミンCを摂取するんであれば、加工されていない、でも医療に使われているレベルのアスコルビン酸を購入するのが一番安上がりで効果も高い。

ということで私がおすすめしているのは以下。

アスコルビン酸原末

高溶解性

NutriBiotic社のアスコルビン酸は100%医薬品グレードのビタミンCで、身体の健康に総合的な利益をもたらす必須栄養成分です。この高溶解性形態のビタミンCは、抵抗系への抗酸化保護として働きます。健康な骨格や組織の維持や発達などを含むいくつもの有益な目的を有し、多くの生化学的反応において重要な役割を果たしています。ビタミンCは体内で生成されないので、日常的に他から補給される必要があります。 NutriBiotic社のアスコルビン酸はアレルギー性の高い方でもあまり刺激を感じることはありません。

ビタミンC(L-アスコルビン酸USP-FCC *として) 2500 mg 4167%
*米国薬局方 – 食品化学コーデックス

1回当たり摂取量: 1/2ティースプーン(2.5g)

¥4,307 一日のコスパ ¥4,307÷400=11円弱

なおもし100%医薬品グレードのビタミンCでなくても良いということなら、もっと安いものが売られていて、これもお勧めだ。

 

ビタミンC(アスコルビン酸)1kg 粉末・100%品 食品添加物規格 1cc計量スプーン付き

 

 

¥ 1,680
安いものでも良いのかもしれない。

期待する効果は人それぞれなので、こんな感じで自分にあったものを選んでいくのが良いと思う。

今回はここまで。