クルクミンの効果については前記事で大まかに書いてみたが、大体はexamine.comの記事を解説したものだった。
今回は別の記事なども参照して、さらに深掘りをしてみたい。
ターメリックの効果に批判的な研究
ターメリック・ウコンといえばまずはお酒を飲むときに効果があると言われているが、ウコンの成分、クルクミンなどはそのままでは吸収が悪すぎて効果はない。
またある外国の研究文献には・・・・・
摂リすぎると胃腸過敏、皮膚の発疹、皮膚の腫れ、胸部の緊張などが起こるし。
肝臓に良いどころか、クルクミンの慢性的な使用は肝毒性を引き多こす可能性も指摘されていた。
肝臓疾患のある人、大酒を飲む人などは注意が必要なんだという。
ヒト胆嚢に対する異なるクルクミン投与量の効果。Effect of different curcumin dosages on human gall bladder.
もしそうだとすれば胆道閉塞、胆石、閉塞性黄疸、急性胆道仙痛がある人にはすすめられない。
だがexamine.comには
Doses up to 8g curcuminoids in humans have been shown to not be associated with much adverse effects at all, and in vitro tests suggest curcumin has quite a large safety threshold.
ヒトで8gまでのクルクミノイドは、多くの副作用と全く関連していないことが示されており、インビトロ試験では、クルクミンはかなり大きな安全性閾値を有することが示唆されている、とあった。
はあああああ?話が違うじゃねえか?どっちが正しいんだい?
またクルクミンについて安全性が高いとしたexamine.comには
いくつかの試験管試験は、高濃度のクルクミンがDNA損傷を引き起こし、免疫系を抑制することを示唆している
として危険性についても触れられている。
私も以前ターメリックは効果がないという時期を書いたことがある。
ウコン(ターメリック)の効能を徹底的に調べてみた クルクミンの効能とは 二日酔いに効果なし!肝臓には効かないってほんと?
こうなってくると頭が混乱してくるが。
いずれターメリックの主成分であるクルクミンはそのままでは吸収されにくく、吸収されない状態では効果がない。
また大量に摂取すると体に害があるということのようである。
しかしこれは薬やサプリメント成分全てに言えることである。
量の概念は非常に重要である。
私の判断
取り敢えず8g以上は摂らないようにすればよいということであるので、私は実際の生活に取り入れてみることにした。
実際吸収力が非常に悪いクルクミンを8gも吸収するのは至難の業である。
優れたサプリでも1gも吸収できたら最高という感じで含有量が示されている。
私が購入したのは以下で、400mg
今回調べていて興味深かったのはウコンが認知症の改善に効果があるということ。
様々な記事を見つけたが、週刊誌に記事に以下のようなものがあった。
週刊誌のネット記事は一定期間がすぎると削除され、無くなってしまうので、丸ごと引用ををしておき、この記事を基にしてさらに考えていきたい。
いまや65才以上の高齢者の10人に1人が認知症だといわれる時代。若いうちからの認知症予防も重要になってくるわけだが、順天大学加齢制御医学講座教授の白澤卓二さんは、こう話す。
「高脂肪、高カロリーの食事を長年摂取することで、認知症のリスクが高まることが近年の研究結果で明らかになりました。理想は20才のころの体重を維持することです」
そのリスクを減らすためには食生活の改善が必須だ。
「摂りたいのはまず“地中海料理”。地中海料理は抗酸化作用のあるオリーブオイルや野菜、穀物、豆、魚、果物が多く使われているほか、赤ワインを飲む習慣があります。米ニューヨークで行われた調査で、地中海料理をよく食べている人は食べていない人よりアルツハイマーのリスクが68%も低かった。そして “香辛料”。
インド人がアルツハイマー病に発症する確率はアメリカ人の4分の1。カレーに使われるウコンに含まれる“クルクミン”というポリフェノールが認知症予防に有効なのです」(白澤さん)
しょうがのからみ成分ジンゲロールは体を温め、生活習慣予防に。とうがらしのカプサイシンは中性脂肪を燃焼させ、肥満予防にもなる。ウコンに含まれるポリフェノールのクルクミンは脳の老化を予防しアルツハイマー発症のリスクを軽減するという。
“地中海料理”に使われる食材として欠かせないのが野菜で、緑黄色野菜に含まれるビタミンA、C、Eには抗酸化作用がある。また、トマトのリコピン、にんじんのβカロテンなど、野菜に含まれるファイトケミカル(植物化学物質)は、老化のもとになる活性酸素が増えるのを防ぎ、アルツハイマーを予防する。
これまた地中海料理に欠かせないオリーブオイルは、酸化しにくいため血液中の悪玉コレステロールを減らすだけでなく、ビタミンやミネラルも豊富だ。さらに、食中酒にはワインが最適。数種類のポリフェノールが含まれていて、アルツハイマーを予防。寿命を延ばす働きもあるという。
ここでは地中海料理の構成がアルツハイマーを予防し、寿命を伸ばすという。
この記事に出てくる成分については別記事に書いたが。
この記事で書かれている高脂肪食が体に悪いという説は当たり前すぎる。
そうならないために必ず地中海料理を摂らなくてはいけないわけではない
地中海料理といえばオリーブオイルだが、これが体に非常に良いことは認められている。
地中海料理は油がたっぷり使われているものが多い。
ただ高脂肪だって言ってもオリーブオイルであれば大丈夫。要は油の質を気をつければ良いということ。
また新鮮な野菜を中心とした食事が体に良いことは言うまでもない。
そういう点では日本料理で十分間に合う。

でも私は地中海料理好きよ。イタリアンとか、チュニジア料理とかそういうのよね。おしゃれだし。今度連れてって。
ただ私がこの記事を引用したのは。
ネット上の様々な記事でインド人のアルツハイマー症発症の確率はアメリカ人の1/4という説が当然のように書かれていたが。
どこかにそういう比較統計データが有るのかと思って調べてみたが。
非力なためか、そういう比較の文献を見つけられなかったんで。
おそらくこれなんかが根拠になってるのかなあと思ったからである。
だが、この記事で書かれていることが正しいかどうかはわからない。
根拠になるデータが欲しいものである。
ただ実際にクルクミンに関する実験データは豊富にあるようで。
クルクミン構造 – 神経炎症およびアルツハイマー病モデルにおける機能、生物学的利用能および有効性
Curcumin Structure-Function, Bioavailability, and Efficacy in Models of Neuroinflammation and Alzheimer’s Disease
などは様々な参考文献が網羅されていて、必見である。
もしクルクミンが脳に効果があることになるんだったら。
実際脳関門を通過することができるサプリがあれば素晴らしいと思っていたら、脳関門を通過しやすいように加工しているものが実際にあった。
てかこのことは上記引用文献にも記載されている。
脂質化されたクルクミン製剤は、クルクミンとピペリンの組み合わよりも、血漿中のクルクミンレベルが11倍高かった
前記事にも書いたものを引用しておく。
⑤固体脂質クルクミン(Longvida)というものがある。つまりはよくあるリボソーム型サプリということになるんだが。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアルツハイマー実験室で開発された、固体脂質クルクミン粒子製剤=Longvidaというのがあって血液脳関門を通過することが示唆されているという。リボソーム型だと650mgは、2gクルクミンと20mピペリンと比べた場合、2倍のフリー体があってフリー体だけがBBBを通過できるので、脳への効果は2倍になる。
クルクミンは、バランスの取れた免疫機能をサポートすることで知られる強力なフリーラジカル中和剤ですが、生物学的利用能が低いことも周知の事実です。NOWクルクブレインの主成分Longvida オプティマイズドクルクミンは、一般的なクルクミンと比べて遊離クルクミノイドのバイオアベイラビリティーが最大65倍に達するとの研究結果が発表されています。Longvidaは消化管に吸収され、体内で活性型の遊離クルクミンとして体の他の部分に送達されます。Longvidaは、健康な神経組織をサポートするため、血液脳関門を貫通することが実証されています。
ご使用の目安
1日1カプセル服用します。
Longvida最適化Curcumin Extract [Curcuma longa(ウコン)根から](Rhizome)(最小20%Curcuminoids) 400 mg ¥2,574 一日のコスパ51円。
またクルクミンはフィッシュオイルと組み合わせると効果が増すという研究もある。
Collaborative effects of diet and exercise on cognitive enhancement.
オメガ3脂肪酸およびクルクミンは、脳由来の神経栄養因子(BDNF)のようなシナプス可塑性に重要な分子レベルを上昇させ、脳の損傷後の正常な脳機能および回復事象に利益をもたらす。
運動とフィッシュオイルの併用によってクルクミンの効果が増強される可能性がある。
まとめ
様々相反する臨床実験結果があるようだが、今の時点では、ターメリックに含まれているクルクミノイドは非常に優れた成分だと思える。
クルクミノイドには80%ほどのクルクミンが含まれているが吸収は悪いので、そのまま摂取しても腸から吸収してはじめて効果が出る効果については期待できないが。
そのままターメリックたっぷりのカレーを食べただけでも腸自体の健康を増すこともわかった。
クルクミンは腸管へ及ぼす健康効果もあり、吸収率が悪いからといってすべてが無意味となるわけではない
エビデンスがあるってやっぱり安心だ。
アーユルベーダ数千年の歴史は伊達じゃないよね。
ウコンは2500年ぐらい前から染料として使われ、その後食品として、さらには傷みを緩和する薬として使われてきたという。
現在効果がはっきりしている抗炎症薬として使われてきた。
そして今はその他にも多面的な効果のある素晴らしい薬物成分として認知されているという。
私が最初調べたときに批判されていたのは誇大広告であって、その主な原因は体内に吸収されにくいということであった。
吸収されなければ体の中で効果を発揮することは出来ない。
それが解消されたとなればぜひとも摂取したい成分ということになる。
以下クルクミンの効能を箇条書きにしておく。
抗炎症効果・抗酸化作用・有害金属のキレート・関節などの痛みを緩和などなど
健康な中高年者における脂質添加クルクミンの低用量補充の多様な効果。
Diverse effects of a low dose supplement of lipidated curcumin in healthy middle aged people.
また認知機能への効果だけに限っても、多くの作用機序あり。
血液脳関門の損傷を防止することにより、脳虚血・再灌流誘発脳障害を改善する。局所脳虚血ラットに対するクルクミンの神経保護効果。
黄色のカレースパイスであるクルクミンは、神経毒性物質および遺伝毒性物質に対して有意な防御を与える抗酸化作用および抗炎症作用の両方を有し、アルツハイマー病(AD)を含む加齢性神経変性疾患を防ぐ。
Curcuminoids enhance amyloid-beta uptake by macrophages of Alzheimer’s disease patients.
フェノール性黄色カレー色素クルクミンは強力な抗炎症作用および抗酸化作用を有し、酸化損傷、炎症、認知障害およびアミロイド蓄積を抑制することができる。クルクミンは小さなベータアミロイド種に直接結合し、インビトロおよびインビボでの凝集およびフィブリル形成を阻止する。
クルクミンはレドックス不活性亜鉛よりレドックス活性金属の鉄および銅をより容易に結合するので、クルクミンはAベータ毒性に対してネット保護効果を発揮するか、またはNF-κBの金属誘導を防止することによって炎症性損傷を抑制することができる。
などとあってクルクミンはアルツハイマー症の原因となる酸化・炎症ヲに対する抗酸化作用および抗炎症作用を持ち、かつアルツハイマー症の直接の原因となるアミロイドβのオートファジー作用を増加させることによってアルツハイマー病患者の脳からアミロイドβを効果的に排出する働きをする。また有害な金属とキレートすることでアルツハイマー症を防ぐ。
また臨床実験例としては以下など。
非認知症成人におけるクルクミンの生物学的利用可能形態の記憶および脳アミロイドおよびタウの効果:二重盲検プラセボ対照18ヶ月試験。
Memory and Brain Amyloid and Tau Effects of a Bioavailable Form of Curcumin in Non-Demented Adults: A Double-Blind, Placebo-Controlled 18-Month Trial.
毎日のクルクミンの経口摂取は非認知症成人の記憶と注意の改善につながる可能性があります。FDDNP-PET所見は、症状の利点が、気分および記憶を調節する脳領域におけるアミロイドおよびタウの蓄積の減少と関連することを示唆している。
全部英語の文献で申し訳ないが。
結局サプリの詳しいことを知りたいと思えば日本語のものでは足りないんである。

私はピノだから英語はネイティブ!任せといて。

でもまりちゃんは日本語が読めないんだよね
ということで今回はここまで。