この記事は前書きが長くなりすぎたので切り取って別記事にした。
まえがき長すぎたからね
前書きを独立させた記事はこちら
人間には寿命があるわけだが。理論的に永遠に生きられる生物がいるという情報があるのでそのことについてこれから見ていきたい。
役に立つ情報というかトリビアだね、今回は。
とは言えツッコミどころ満載の話ではある。
木の場合、現在確認されている最も長く生きているものはカリフォルニア州のセコイヤ。4,000年ほど生きているという。
日本では屋久杉の縄文杉は2,500年、大王杉の樹齢は3,500年。木には寿命があるものと、理論上寿命がないものもあるようだ。
また死なないということではプラナリアとかベニクラゲとか、海綿動物とか有名所はたくさんいる。
今まで考えたこともなかったが、寿命が体内にセットされていない生き物というのは結構いるようだ。
だが今回はロブスター。なんでロブスターが寿命がない生物の代表として取り上げられたかというと。
ネット上ではやったから、ということらしい。
今回はこの説を検証する中でナニか新しい発見が出来たら嬉しい。

がんばって、がっちゃん
週刊実話の記事から考えてみる永遠の生命
ネット記事にロブスターには寿命がない、理論上は永遠に生きられる!驚くべき生命力というのがあった。
週刊実話の記事というだけでいかがわしいんだが(^^ゞ私はいかがわしいのが大好き。週刊実話とかアサヒ芸能はこのいかがわしさをずっと保ちつ続けてほしい。
エビ類としては最大級の大きさを誇るロブスター。別名オマールエビと呼ばれる西洋料理の高級食材だが、そんなロブスターには寿命がないといわれている。ロブスターの臓器は年齢を重ねても劣化しないため、食欲・生殖能力・新陳代謝が落ちることがなく、理論上は永遠に生きることもできるそう。つまり、外部的な要因(人間によって食べられたり、自然淘汰にあったり)がないかぎりは不死身ということになる。もちろん本当に寿命がないというよりは寿命が極端に長いと考えた方がよいだろう。ロブスターの大きさからその年齢を計算すると、100歳を超える個体が、イギリスやカナダなどの各地で確認されている。
中でも最も年齢が高いとされているものは、2009年にアメリカで見つかった体重9㎏の巨大ロブスターだ。その年齢はおおよそ140歳と推定されるそうだ。ロブスターの生命力すごい…。
脱皮するときに内蔵も入れ替わって新品になるから永遠に若々しいんだと。だから100歳過ぎたロブスターも新鮮で美味いんだと。言うものである。
もし本当に内蔵まで取り替えられるんだったらたしかにいつまでも生きていられる。・・かも。
それとロブスターは特別そうなんだよ、というようなことも書かれていて。
他の甲殻類は殻は脱皮するけど内臓は一緒に新しいものに入れ替わらないとも言われているんだとか。
ロブスターじゃないけど伊勢海老の脱皮
脳も入れ替わるんだろうか?もしそうなら同じ人格(エビ格か)は保てないと思うんだがどうか?
もし内臓が入れ替わる説が正しかったとして。
でもそんなに長生きしたとすると巨大生物になってしまう。
しかし怪獣映画以外でそんなロブスターは見たこともないし、みつかったという話を聞いたことが無い。
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 東宝DVD名作セレクション>
記事に書いてあるような9kgぐらいじゃ驚きは少ない。
デカいロブスターはないかと無料画像を探してみたらあった。でも・・・・彫刻だった。巨大ロブスター 全長11m、重さ90トン
カナダのシェディアックに、3年の歳月と1億7千万円もの費用をかけて建造されたロブスター型の彫刻。街で盛んなロブスター漁への思いを込めて作られている。この彫刻のおかげで、毎年50万人がここを訪れるようになった。
あ、動画を見つけたから貼り付けておこう。懐かしい。
おまけ画像(水野久美)
今動画見たけど、水野久美が出てるんだ-
私は子供の頃水野久美のファンだった。
小学校の時に映画館で観た「マタンゴ」
素晴らしかった(^^ゞ
いちばん有名なX星人
怪獣大戦争
私としてはこの話から長寿の話につなげていきたいと思っているわけなんだが。
はたしてどうなるんだろうか。
理論的には死なないはずのロブスタ水野久美は怪獣映画のヒロインーなのに何百年も生きているロブスターが見当たらないのはなぜか、という話を戻して・・・・・と
疑問に対しては以下のような説明がなされている。
永遠の生命を持つはずのロブスターだがその死因の大多数が脱皮不全によるという。
内蔵までもが完全に入れ替わるということは。危険がともなう。何回も脱皮を繰り返していくうちに失敗することも数多くあり。
一回でも失敗すればその時点で死んでしまう。
またでかくなれば時間がかかるんでその間に外敵の襲われる可能性も高い。
以下の動画は共食いとあるが、脱皮したばっかりのザリガニが別のザリガニに一方的にやられている。
またロブスターが美味しすぎるために人類が最大の天敵となっている。
人間に狙われて、根こそぎやられたら長生きはできないだろう。
ということは逆に言えば人間がロブスターを食べるようになる前は巨大ロブスターは存在したのであろうか?
疑問がいっぱいのロブスター寿命無い説
何だか。わからないことがいっぱいある・・・・・・内蔵が入れ替わるっていううけど内臓のどこまでをいうのか?
ロブスターは他の甲殻類と違って内蔵まで入れかわるというが、他の甲殻類は脱皮のときはどうなるの?
ロブスターという名称でくくっているが、どこまでの範囲を言うのか?ザリガニは入らないのか?
ロブスターに寿命がないという説はそもそもどこから出てきたのか?
と思っていろいろ観ていたら素晴らしいブログを発見。
最近は大したもんだなと思うサイトをいくつか見つけているが。
私が今回の内容についてあれっ?と思ったことを深掘りをして調べていた方がいらっしゃった。
記事中にも書いていらっしゃったが、ものすごい時間をかけて調べてその結果を分かりやすく書いてくださっている。
という記事であるが大変な労作である。
私もこのサイトのようにきっちり深掘りができるようなものを作っていきたいなと思う。
その記事の結論は以下のとおりだ。
①ロブスターの脱皮は消化器管と外殻が対象であり、「内臓」全てを脱皮するわけではない。だから内臓が全部新品に変わるなんてことはない。
②外的要因がなければザリガニ・ロブスターは長生きしそうではあるが、「老化」現象はある。
③「ロブスターに寿命はない説」の出処はThe Long And Happy Lives Of Lobstersというラジオ番組らしい。
④ロブスターが属する「アカザエビ上科」と「ザリガニ上科」は「従兄弟のような関係」なので上記のことはロブスターだけでではなくてザリガニ全般にも見られる現象だ。
⑤脱皮するときに内蔵も新しくなるのはザリガニ類だけではない。節足動物の多くが脱皮するときには消化器官を新しくする。
出典も明記されているし、本も数冊紹介されている。この記事ではそこまでやるつもりはないので、もしご興味がある方は直接元記事に飛んでご覧いただきたい(^^ゞ

手抜きってこと?
ヤフー知恵袋を見ると
ロブスターって理論上寿命がないと聞いたのですが、生殖機能がなくなっても生き続けるということでしょうか?それとも生殖機能もずっと衰えないのですか?
この性質はロブスターにとってどんなメリットがあるのですか?教えてください。
という質問があってそれに対する答えが2つあるんだが、面白い答えがあった。
生存本能に従って動いた場合に寿命がなければどんなことをしてでも生き残れるやつは、同種族同士で結局奪い合って自滅するから、そういう輩では寿命のあるものだけが子孫を残すことができたから寿命がある。しかし、生存本能に従ってもコロコロ死んでいくクソ雑魚野郎には個体数調節はほぼ自然淘汰ですんでしまうので寿命ができなかったということ。
要するにロブスターは植物や菌類並みにクソ雑魚ということ。
面白すぎる回答だ。つまりは寿命を司る仕組みが必要がないレベルの生物がたくさんいるってことなんだろうか。
そういう生物の染色体にはてメロアはついていないのか?
だが ロブスターにテロメアはないのか?と言うと「ある」という記事がたくさん出てくる。
本当にあるんだろうかと思って調べてみたら以下のような記事が見つかった。
スミソニアン博物館のサイトから
Don’t Listen to the Buzz: Lobsters Aren’t Actually Immortal
(流言飛語に耳を傾けないで:ロブスターは実際に不滅ではありません)
スミソニアン博物館のサイトの記事だ。
Smithonian.comを発見したのは今回調べてて得られた収穫のうちの一つ。スミソニアン博物館のサイトなわけだから。当然有名なんだけどね。
不肖ガッちゃんははじめてのアクセス。
コンテンツが充実しすぎてて感動。
一時時間ほど見入ってしまった。
動画も素晴らしい。
この動画を解説している記事はないかと探して見つけたのがこれ
ありとあらゆる生物のスペシャリストが案内するスミソニアン博物館群の国立自然史博物館の裏側に迫るムービー
Collecting the World: Inside the Smithsonian from Great Big Story on Vimeo.
この動画を解説している記事はないかと探して見つけたのがこれ。
ありとあらゆる生物のスペシャリストが案内するスミソニアン博物館群の国立自然史博物館の裏側に迫るムービー
素晴らしすぎる。
それで・・・・ロブスターの寿命についてなんだが。この記事では寿命はあると言っている。
Finally, older crustaceans stop shedding their exoskeletons altogether—a clue that they’re near the end of their lifespans. They run out of metabolic energy to molt, and their worn-and-torn shells contract bacterial infections that weaken them. Shell disease, in which bacteria seeps into lobster shells and forms scar tissue, adheres the crustaceans’ bodies to their shells. The lobster, attempting to molt, gets stuck and dies. The disease also makes lobsters susceptible to other ailments, and in extreme cases, the entire shell can rot, killing the animal inside.
According to Carl Wilson, lead lobster biologist with the Maine Department of Marine Resources, between 10 and 15 percent of lobsters die naturally each year as they shed their exoskeletons because the exertion proves to be too much. Each molting process requires more and more energy than the one before it as lobsters grow in size.
とあって、歳を取ると最後には脱皮する力がなくなる。その為リニューアルしない外骨格は当然古くなる。
すると免疫力が弱ったには細菌が付着し、scar tissue (瘢痕組織)ができてそれが体内に侵入して、ロブスターは死を迎える。
人間が免疫力がなくなって肺炎で死ぬような症状を示す、これは寿命だろう、というのである。
なおその他の内容は元記事にて参照していただきたいが。
簡単に要約すると以下のようだ。
ロブスターは死ぬまで成長を続けることは間違いがない。
ただしロブスターの寿命を正確に知る方法は見つかっていないんだとか。
ロブスターのミームがたくさん作られてネット上を徘徊している。ミームの中のロブスターは死なないけど、実際のロブスターには寿命があるんだよ、変な口コミにだまされないでね、というのが要約であり、且つこの記事のタイトルになっている。ユーモアがあって私はかなり気に入った。
ネット上で拡散されているミームはコレだ!
これが台詞を変えてさまざま登場している。
生物的に不死・・・でもラバーバンドには敗れるというセリフはロブスターのハサミがゴムバンドで開けないようにされていることを笑ってる。
生きたロブスターを買うとこんな感じでハサミがゴムバンドで止められている。これを皮肉った。
ついでに書いておくが、わたしがネットで調べた中ではこの会社の天然活ロブスターが最安値である。
ちなみにオマールエビとはロブスターの食材名。
¥ 6,048
生物的に不死・・・でもバターで炒めたロブスターは美味しいとか。これが一番の元みたいだが、笑える。
たしかに。
茹でたそのままも美味しいが、バターで軽くソテーしても美味い。
ある一定の画像を使ってみんなが作る冗談画像がミームだ。
以下もその例。
ついでに書いてくと。「Buzz(バズ)」とは、ハチがブンブンと飛び回る、せわしなく動きまわる、人がガヤガヤとうわさ話をする、という意味だがネットの世界では「バズる」= 口コミが広がり爆発的に話題になる、との意味で使われている。そこに由来して、といった意味で使われているとの事。

BUZZという言葉、がっちゃんは知ってたの?

勿論・・・知らなかった(^^ゞだから私と同じような情弱な人のために解説も入れといたんだよ
それで私の関心はテロメアに作用して長寿のカギを握ると言われるテロメラーゼなんだが。
Other websites write that lobsters’ incredible longevity is courtesy of their DNA, with credit specifically due to telomerase, an enzyme used in cell division that protects the ends of chromosomes.
ロブスターの信じられないほどの長寿は、染色体の末端を保護する細胞分裂に使用される酵素であるテロメラーゼの活性化が著しいからであるというサイトもある。
と言って、そのことを肯定している。スミソニアンの記事だから信頼性は高いと思いたい。
また以下のような研究結果もある。
ロブスターにおけるテメローゼの働きについての研究レポートだ。
詳しくは原文を当たっていただきたいが。
Longevity of lobsters is linked to ubiquitous telomerase expression
(ロブスターの長寿はユビキタステロメラーゼ発現に関連している)
Lobsters (Homarus americanus) grow throughout their life and the occurrence of senescence is slow. A modified TRAP assay was developed and the lobster telomeric repeat sequence TTAGG was determined. We detected telomerase activities which were dependent on RNA and protein components, required dGTP, dATP and dTTP, but not dCTP. Telomerase products with a five nucleotide periodicity were generated. High telomerase activities were detected in all lobster organs. We conclude that telomerase activation is a conserved mechanism for maintaining long-term cell proliferation capacity and preventing senescence, not only in cellular models or embryonic life stages but also in adult multicellular organisms.
ロブスターズ(Homarus americanus))は生涯を通じて成長し、老化の発生は遅い。改変TRAPアッセイを開発し、ロブスターテロメア反復配列TTAGGを決定した。本発明者らは、dCTPではなく、dGTP、dATPおよびdTTPが必要であるRNAおよびタンパク質成分に依存するテロメラーゼ活性を検出した。5ヌクレオチドの周期性を有するテロメラーゼ産物が生成された。すべてのロブスター臓器で高いテロメラーゼ活性が検出された。我々は、テロメラーゼ活性化が、細胞モデルまたは胚生存段階だけでなく成人多細胞生物においても、長期細胞増殖能力を維持し、老化を防止するための保存された機構であると結論する。
これは最初の要約部分だが、全ての内容を読むことが出来るのでお勧めである。
とは言えだからといってロブスターが不死だという証拠は見つけられていない、ということだ。
The popular graphic and its different textual iterations caught the eye of Zen Faulkes, an invertebrate neuroethologist at the University of Texas-Pan American, who sussed out the situation on his blog and came to this conclusion: “If there is evidence supporting that claim,” he wrote in an email, “I have not found it yet.”
テロメラーゼは確かにロブスターの寿命を延ばすには効果があるようだ。
そして大きく育ったロブスターは私達を楽しませてくれる(^^ゞ

美味そう

美味しそう、一緒に食べにいこう
テロメアが寿命を決めるという説については続く・・・・一応のまとめ
本当に記調べたかった「テロメラーゼ」については続きの記事にしたい。
テロメアの長さで客観的に測れる健康法の効果 寿命の回数券テロメアを伸ばす=寿命を延ばす方法は意外にも既存の健康法の中にあった
今回調べた結果ロブスターが長寿であるにしろ、不死ではないことがわかった。
またそもそもロブスターの実年齢を調べる方法がない(推定はできる)とかいうのも私には驚きであった。
But one question about lobsters’ lifespans still remains. Scientists do not yet have a truly validated way of determining the age of lobsters. “The problem with lobsters is when they molt, they molt their entire exoskeleton, including their digestive tract and gastric mill and the like, so there are no hard parts that are left,” Wilson says. These hard parts, if a trace of them were left after every molt, would help determine a creature’s age—without them, approximating lobsters’ birth years is difficult.
外骨格全体が入れ替わってしまうので年齢の手がかりとなる痕跡も消えてしまうんだそうナ。
だからロブスター・ザリガニに関しては今のところホントの年齢はわからない。
ただし、ロブスターの場合、生物の寿命を司るといわれる「テロメア」を守る、テロメラーゼという物質の働きが活発だということがわかった。
これがロブスターの長寿の原因の一つであることは確実なようである。
今回いろいろ調べてみて、いわゆる寿命が設定されていない生物ってのがたくさんあることがわかって、それも驚いた。
寿命は遺伝子に組み込まれて設定されているらしいが、それがないものも多いということだ。
そういう生物の多くは補足されたりして死んでしまうので寿命が設定されていなくても問題がないということなんだそうだが。
どの部分からも全体を再生できるプラナリアも寿命がないといえば無いし。
不老不死といえばベニクラゲ。1度死んだように海底に沈んでから根状態に変わり、幼生のポリプという状態に若返るわけなんで 外から危害を加えられなければ永遠の命を持つ。

きれいね

http://sizen-no-zakkichou.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20
が、興味の赴くままに調べていくときりがないので、今回はこれで調べるのを止める。
「ロブスター寿命が無い説」みたいな怪しい説も調べて楽しかった。

こういうのも面白いね
次回はちと真面目に・・・・生物の寿命を司るといわれる「テロメア」。そしてそれを守るテロメラーゼの働きと。
もし私達がサプリで取り入れた場合にテメローゼを活性化させ、寿命を伸ばすようなものはあるんだろうか?
といったことを調べてみたい。
少し調べただけなんだが、癌細胞というのもいわゆる寿命のない細胞である。
癌細胞ができるとテロメラーゼを活発化させるということもわかっていて。
単にテロメラーゼを増やしたら壽命が伸びるとか、そんな簡単なものでもなさそうである。
一筋縄ではいかない様だ。が、面白そう。
今回はここまで。