ED診療ガイドラインが素晴らしい

今回は経口薬以外での他の治療法について調べてみようと思った。
それでざっと観ていたら、ED診療ガイドライン 2012年版というものを見つけた。
書籍として出版されているものを公開している。

Minds診療ガイドラインライブラリというサイトの一部をなすもので。

このサイトは国がお金を出して作っているものだけに非常に詳しいので私もこれからこれで勉強をしていこうと思っている。
何よりも参考文献が明記されているのが素晴らしい。
最近は調べるのに時間がかかって大変だなあと思うことも多い。

文系頭だと科学的知識を持っている人たちが常識としていることを理解するにも一苦労。
前記事でテロメアについて調べて記事を書いたんだが、テロメアのことを理解する前に、DNA複製など基本的なことの勉強をしなくてはならず、多大な時間を食った。
私なりには大変なエネルギーを使って書いたし、テロメアの長さの測定を基準にして健康に効果的な運動・食事・生活の仕方などを客観的に評価できる可能性があることなどもわかったので非常に有意義な情報が提供できたんではないかと自負したし、読んでもらったタミイなんかにも好評だったんだが。
今のところアクセス数は最低だ(T_T)
こういうことがあると非常に疲れる。

テロメアの長さで客観的に測れる健康法の効果 寿命の回数券テロメアを伸ばす=寿命を延ばす方法は意外にも既存の健康法の中にあった

でも今回の様にED診療ガイドライン 2012年版という、わたしの中ではばらばらになっていたED治療の知識をまとめられるものがを見つけられたりすると、ちゃん深掘りをしていけばそれなりの収穫が得られるものなんだなと嬉しくなってしまう。

ED診療ガイドライン 2012年版はあるとわかってみれば、非常に有名なものだということもわかったので(^^ゞこのサイトに立ち寄るような人はご存じの方も多いんだと思うが。
私は知らなかったし、私のようなレベルの方もいらっしゃると思うので。皆さんともシェアしておきたい。

この診察ガイドラインは

診療上の重要度の高い医療為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量して、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書。(福井次矢・山口直人監修『Minds診療ガイドライン作成の手引き2014』医学書院.2014.3頁)

と定義づけられていて。
医療の専門的ガイドラインにしては珍しくミシュランのような推奨ランクが示されている。

引用元
http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0131/G0000436/0004/0004

コレがとっても嬉しい。

今回はでもED診療ガイドライン 2012年版とは違う分け方でED治療についてまとめてみたい。

どうまとめるかというと。

1ちんこに異物を埋めたり、機械・器具を使って勃起力を高める方法
2ちんこに直接注射をしたり座薬を入れる方法。
3精力剤やED治療薬など経口服用をする方法

である。
更にはガイドラインに含まれていない方法も入っている。

これはEDの症状が重い順になっていて。費用の点でも一番が最も高い。

今回は1についてまとめてみたい。

マリちゃん静止画1

なんか卑猥な感じがするー

ちんこに異物を埋めたり、機械・器具を使って勃起力を高める方法

思い返してみるに、わたしがED になったときにはちんこに何かを埋めたり、機械を使ってなんとかしようとは一切考えが浮かばなかった。
だから今回ガイドラインを読んでそれらもまたED治療の王道であることを知って少し驚いた。

この方法は同じEDでも重症の人に当てはまるものだと思う。
人ってここまでしてもやりたいもんなんだなあ、と思うとその執念というか妄念というか、煩悩の奥深さに思わず愛おしさを感じてしまう。
ばかみたいなところがとっても素晴らしい(^^ゞ

ちんこに人工ペニスを埋め込む

ちんこにシリコンで出来た芯を埋め込む陰茎プロステーシスという方法についてはあるということは昔から耳にはしていたんだが、詳しく調べたことがなかった。
今回初挑戦である。

タミイ静止画1

シリコンのおっぱいみたいなもの?それなら友達でもやっている子いるよ

内容については実際に施術を行っている東邦大学医療センターのサイトに詳しい。

陰茎プロステーシスという記事によれば

AMS陰茎プロステーシスは、すでに30万人の男性に移植され、90%以上が満足していると報告されています。勃起障害(ED)の治療法の最後の治療手段ですが、陰茎プロステーシスの利点として、
満足な性生活を取り戻すことができる
EDを長期に解決できる
望んだときいつでも勃起させることができる
雰囲気を壊さず自然な性交が可能になる
望むだけ勃起を持続できる
薬の費用を必要としない
射精やオーガズムの障害とならない
などがあり陰圧式勃起補助具や陰茎海綿体注射より満足度が非常に高い

陰茎プロステーシスの欠点としては、
手術とその治癒期間が必要
自然な勃起の回復の可能性がなくなる
感染・びらん・器具の故障などで再手術が必要となる。特に、糖尿病コントロール不良例では感染リスクが高くなる。

われわれは糖尿病コントロール不良例でも感染リスクを抑える手術法を開発し良好な結果を得ています。

とあって利点が欠点を凌駕するように書かれている。お客さんにアピールすることを目的としている病院の記事なんで当然なんだが。
この記事を読んだだけでもなかなかハードルが高そうだなと察せられる。

まず、保険が効かないので手術代が高額。60万円ぐらいかかる。
更に異物を埋め込むことなんで、(サイト記事には感染リスクを抑える手術法を開発していると書かれているが)それが原因の感染症が発生することは十分に有り得る。

 

だから適期的に検診を受ける必要があるなど、さまざまケアをしなくちゃいけないようだし。
安全と言っても、歳を重ねれば異物を入れたことによる身体的なストレスが高まり、それが様々な合併症の原因となるのは目に見えてkル。。

 

中高年の勃起障害患者におけるED治療というpdfの資料を見つけたんだが。
それによると、もし病気が併発して陰茎プロステーシスを抜き取ることになったときにはもう二度とちんこは勃たなくなると言う。
その記事にあったデッサン。

引用元
https://ed-netclinic.com/ul_pdf/prac00000065.pdf

だから最後の最後の選択肢だと言える。

 

タミイ静止画1

ホントだ。おっぱいからシリコン外したようなもんだ。でもシリコン入ってるおっぱいってわかるよ。私はE カップだからまったく必要を感じないけど


がっちゃん静止画1

自慢してるわけ?あと30年もしたらそんなおっぱい垂れちゃって恥ずかしくなると思うよ。マリちゃんみたいにCカップぐらいがちょうどいいと思うけど


それでも手術術する人がいるんだなあと思って他のサイトも当たってみたら。

今はED治療薬の効果が素晴らしいため、そんなリスクを負う必要に迫られる人が少なくなっているんだそうだ。なので、下火になってきていて手術をする人も少なくなっているようだ。

バイアグラから始まった次世代ED治療薬の効果には確実性があり、それまでのED治療の常識を次々に覆している。
日本ではなかなか広まっていないみたいだが、今も有効とされている天然型の精力剤成分でも欧米ではその売上が減ってきているという。
勃起だけのためだったら次世代ED治療薬のほうが確実だからだ。

そしておそらく更に確実に勃起させる新薬がこの延長上に開発されていくと思われる。
後戻りできない治療はリスクが大きいなあと思う。

ちんこを器具で膨らませる方法

手術をしないけど、器具によって勃起させるものとしては陰圧式勃起補助具というのがある。
ED診療ガイドライン 2012年版を観てみたら。

陰圧式勃起補助具は性交に可能な勃起状態を90% で達成可能であるが,満足度や長期の継続率は高くない。副作用は軽度のものが多い。

とあって人気がないようである。
動画があったんで貼っておく。

厚生労働省の認可を受けているのは、VCD式カンキ(株式会社武井医科光器製作所)の1種類だけ。30,000円。
でもこれって人気が無く、効果もいまいちだと思うんで説明は省く。
厚生労働省承認 陰圧式勃起補助器具VCD式カンキ(30,000円)というのが売られている記事を検索してみたらなんと。
まだ販売はされているようだが、製造は中止されてた(^^ゞ

おそらく廃れていく方法だと思う。
なのでコレ以上深掘りしないことにした。

衝撃波をペニスに照射し、ペニスの血管を蘇らせる方法

器械を使うことで勃起力を回復させるものとして今一番旬のものはED-1000(体外衝撃波治療装置)だと思う。
ただまだあまり知られていないので、いかがわしいと思われる向きもあるかもしれない。
確かにその宣伝の仕方は怪しい。

と言うのも実は体外衝撃波治療装置というのは様々な治療に使われているありふれたものなんである。

ED-1000(体外衝撃波治療装置)はもともと尿路結石の治療に用いられる体外衝撃波を、ED治療に転用したものだ。
この装置を使って、尿路結石を破砕する威力の10分の1ほどに抑えた衝撃波を陰茎の血管に送ると、狭くなった血管、すぼまった血管付近に生理活性物質(サイトカイン)が放出され、新しい血管が形成される、という。
私にはこの生理活性物質(サイトカイン)が放出されるというところがよくわからなかったんだが、これはじつは整形外科などの治療に使われている鎮痛効果を理由づけている理論なんだそうだ。

装置も作用機序としての理屈も。何もかもがありきたりのもの。すでにあるものなんである。

それなのに日経トレンディの記事に「大革命か?」とある。何か新しいもののような扱いがされているんである。

大革命か!? EDを治療するマシン「ED1000」の効果は?

ペニスの動脈は細いので、動脈硬化の影響が真っ先に表れる。前回も紹介した日本性科学情報センターで行われた調査によると、日本人男性では40代の20%、50代の40%、60代の60%がEDと推測される(日本臨床60,200-202,2002)。年齢が上がるほど増えていくのは、血管の機能が衰えていくことが大きいのだろう。ペニス(海綿体)の血管からNO(一酸化窒素)が出ることで血管が拡張するが、動脈硬化によって血管が衰えると充分なNOが出せず、若き日のような「ピンピン」は難しくなってしまう。

 バイアグラなどPDE5阻害剤は、あくまで「勃起の邪魔をするPDE5を抑える」ものなので、血管からNOが出なければ効果はない。ところが、ED1000は新しい血管を作ることで血管機能を回復させるため、そういう人にこそ効く。また、セックスのたびに飲まなければいけないPDE5阻害剤と違って、「EDを根本的に治す」ことも期待できるのだ!

と手放しの絶賛を行う日経トレンディ。だが本当だろうか?そもそも雑誌の記事が正しいとは限らないのは毎度のことだ。

誇大宣伝してない?

私が気になったのはEDの根本治療と言う宣伝文句があったこと。
しばらく前に見たんで今探しても見当たらないんだが。ある記事の中で。
ED1000の治療についての医者の話が載せられてあった。
それは
「若いからこの歳で治療をすれば5年は大丈夫ですよ」

と言うもの。
自慢げに話していることの中に出てきたものだったんで、これが自慢?と思ったものである。
何故かと言うとその記事はED1000 を使って治療すればEDが根本的に治りますよ、という趣旨のものであった。

だから、私はなんだ、若い人の治療を施しても5年ぐらいしか持たないんだ、根本的に治すとかいうけど、大したことないな、っていう印象を持った。

全然根本治療じゃねえじゃねえか!!

ED1000を使った臨床実験のレポートがあるんだが。
Can low-intensity extracorporeal shockwave therapy improve erectile function? A 6-month follow-up pilot study in patients with organic erectile dysfunction.(低強度の体外ショック療法が勃起機能を改善できるか?有機勃起不全患者の6カ月間のフォローアップ試験。)

この中では、短期間の結果は有望であるが、プラセボも使った大掛かりな比較実験を行う必要があるし、またより長い追跡調査によるさらなる評価が必要である、と結論付けられていた。

つまり取り敢えずの効果があることは確認されたものの、証拠の積み重ねが少ないのである。治療の結果効果がどの程度持続するかは今のところわかっていないと思ったほうが良さそうだ。

またこの機械はもともとは尿管結石を衝撃波で破砕するために作られた。
数十年前には、尿管結石になった時はすべて開腹手術が必要だったが、その必要がなくなったので、1970年代から1990年代にかけて開腹手術は激減した。そんな画期的な発明だった。
しかしいまは内視鏡技術の発達と結石を破砕する成功率が衝撃波よりも高いレーザーが開発されたことにより使用頻度は激減した。

ところがこの衝撃波。低エネルギーのものを照射するとは関節痛などに効果があることはわかっていて。整形外科では痛み治療用に衝撃波収束装置を使って難治性の五十肩、テニス肘、踵の疼痛治療が行われている。

そしてなぜ痛みが取れるかという研究も行われ、調査によると、血管の新生が起きる効果があることがわかった。という。
衝撃波を与え続けると血管が再生されるということらしい。
ということで私の段階で深掘りできていないので「らしい」としか言いようがないが、その原理を応用し、血管障害が原因の一つになるEDの治療に使われるようになったということらしい。

整形外科で低エネルギー衝撃波を使った関節の痛みを取る仕組については、その作用機序ともども私も大いに興味がある。

実際に衝撃波収束装置を導入している整形外科病院のサイトがあったので、情報を共有したい。

医療分野では、衝撃波を体外から当てて尿路結石を砕く治療が有名ですが、整形外科分野では、厚労省が2008年に難治性足底腱膜炎の治療機器として承認し使用されるようになりました。整形外科ではまだ新しい治療法ですが、欧米では約10年前からスポーツ選手を中心に、有効で安全な治療として使用されています。

なぜ痛みがなくなるの?

痛みを軽減させる理由(除痛機序)については、衝撃波の照射により痛みを感じとると考えられている自由神経終末という部分を変性させたり、痛みを伝える物質を減少させたり、組織再生因子の増加や血管の再生を促進させたりすることなどや、あるいはこれらが複合的に働いているのではないかと考えられています。

あまり知りたいことの情報が深く書かれているとは言い難いが、整形外科でも使われている具体例が確認できたということと。
作用機序については「と考えられている」などとあるようにまだ十分に解明されていないのではないかと思われること。
更には。

【注意】
個人差があり、数日で痛みが無くなる場合、数ヶ月で痛みがとれてくる場合、無効の場合があります。また、徐痛には数回の照射を要することがあります。

とあって効果がない場合もあることなどがわかる。確かに効果があるが、なぜ効果があるのか確実なところはわからないし、効果がない場合もあるので、確実に治るというようなものではないようだ。

そして今まで述べてきたものと同様の機械でED治療をすると思われるんだが。

今まで見てきたことから考えるに、ED1000 の治療に関しても日本に数台しか設置されていない最新技術を駆使した機械、といった宣伝が誇大広告に見える。

尿管結石治療用に開発されたが、今ではより優れた機会ができたため、尿管結石の治療機械としては時代遅れになっている。
整形外科などでは痛みを沈静化させるための効果が確認され、すでに使われている病院がある。

それと同じ原理で作られた機械・・・・・・ED-1000(体外衝撃波治療装置)が本当にED治療にとって革命的だと言って良いもんだろうか?
試していない自分が語る資格はないが、理屈を追っていくとどうも怪しい。
また短期的な効果はあるようだが、長期間効果が持続すのかどうかについてははっきりしたことはわかっていないように思われる。

ED1000 での治療には40万円ほどかかると言うが、ちんぽが大きくなる精力剤とかインポを治すというコンプレックスに関わるものは根拠なく高額になりがちである。
今まで調べてみたことから考えて、私としてはたとえば1万円ぐらいでできるんだったら試してもいいかなというのが現時点での感想だ。

もちろん確実な効果が客観的に示されたら、高価であっても試してみたいが、今のところそこまでの信頼性はないんじゃないかなと私には思える。

衝撃波治療はED診療ガイドライン 2012年版に載っていなかったが、それも当然かなって思う。

まとめ

今回は重症の方のED治療について観てみたが。
重症になればなるほど治療費が高額になり。それでいてめんどくさかったり定期的なメンテナンスが必要だったり。
感染症の恐れがあったりと。
なかなか難しいことがわかった。

結局はそんな事態に陥らないように体全体の健康を維持し、その上で勃起力を高めるための対策を行うべきだと思う。
ということで次の記事では2ちんこに直接注射をしたり座薬を入れる方法。を調べていくことにする。

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