昔・・・・・

あるフードコンサルタントの方と飲んでて。
味の素がいかに体に悪いか、という話をされた。
私はその方プロだと思っていたから、味の素について様々流布している情報は本当だったんだと思った。

それから20年以上いわゆる化学調味料をなるべく避けるようにしてきたんだが。
このサイトを作り始めてからはっきりわかったことがある。

それは正義面して危険を煽る説については注意したほうが良いということだ。

知らなかった、教えてくれてありがとうなどと私も思う方なんだが。
一旦刷り込まれた思い込みは意識して取り払わないとなくならない。

味の素は危険なんだな、と思うととそれを補強する情報が目の前に現れる。脳がそういう仕組みになっているからそうなるんだが。

強烈だったのは以下なんか。

読者からのメール
2002/08/09
味の素の危険性は、もう20年くらい前から言われてますよね
でも、今みたいに大きな声では言えませんでした
あそこはね、同族経営で尚且つ、その親族の中に大物議員もいるんです
それと、味の素を批判する、消費者グループとか市民グループを
潰すのが上手いことで業界では、有名ですよ。気をつけましょう。
今、思ったんですが。グリコ森永事件で味の素は火の粉をかぶりませんでしたよね
まあ、菓子業種ではないからともいえますが、他にも理由があったんじゃないでしょうか・・・

もっとすごいのがこれ。

これって、実はすげぇんだぜ。 ただし、会社がでかいし、広告費も巨大だからタブーも大きい。 これを書くマスメディアは無いぜぜったい。

どのくらい怖いか?

東南アジアでは、腹が減った不良少年はその辺の犬を喰らうんだそうな。 犬を捕まえるときのアイテムが缶詰と味の素。どう使うかわかる?

インドネシア、フィリピンなど東南アジアの山奥の地方では、犬を食用にします。
犬は放し飼いか野犬で、おとなしく食べられてはくれませんから、捕えるのにひと工夫要ります。
まず、魚のカンヅメを一つ用意し、このカンヅメに、味の素を少し混ぜて犬に食べさせます。喜んで食べた犬は、しばらくすると意識朦朧となって失神してしまいますから、これを解体して人間が食べるという寸法です

あるひとは、漁船員から、網にかかった鮫をおとなしくさせるために口の中に味の素の汁を投げ入れると聞いたことがあるという。

 

あとは実体験でも某大衆中華料理店に入ったとき。
それぞれの料理の味が濃くて。
気持ちが悪くなったことがあって。

味の素、ハイミー、ほんだし、だしの素などは、過熱により発ガン性物質に変異すると言われる化学合成グルタミン酸が主成分です。中華料理店で多く使用されはきけ、めまい、頭痛、自暴自棄などの症状を『チャイニーズレストラン症候群』と呼びます。アメリカのFDA(厚生省)は味の素社のハイミーには奇形と発ガンが認められると日本の厚生省に通告しましたが厚生省はこれを容認、黙認し多様な食品への添加を認めています。味の素社のグルソーは卓上塩、高級緑茶、調味料、インスタント加工食品から外食産業まで幅広く使用されています。

というようなネットの情報を思い出してやっぱり化学調味料は体に悪いと思った。

ただどんなものにも量の問題というのがある。

私はともかく味の素はからだに悪いものと決めつけていた。
だから家には味の素はない。
だが・・・・・・
私は今回はじめてそのコンサルタントの方が話した内容を理解したんである。

20年前に聞いた話がどんなものだったのか?

今回はそんなことを書いてみたい。

タミイ静止画1

ほほお

examine.comのメルマガ

そんなことを思ってた折も折。

examine.comのメルマガがきて。

So is MSG actually harmful? If you feel bad after eating MSG, does any evidence happen to corroborate your experience? We covered the trials done to date, including both short- and long-term studies.

MSGは実際に有害なのか?MSGを食べた後に気分が悪いと感じた場合、あなたの経験を裏付ける証拠はあるか?私たちは短期および長期の両方の研究を含め、これまでに行われた試験をチェックしてみた。

という内容である。
うま味調味料が多国籍企業で作られていることから来る疑心暗鬼。「中華レストラン症候群」が医学雑誌に多く掲載されるようになって以来のバッシング等によってグルタミン酸ナトリウムはトランス脂肪酸、コーンシロップなどと同類の悪魔とみなされる食品の一群に入ってしまった。
などとも書いてあって笑った。以下原文。

Waaaaaay back when, 110 years ago, a Japanese scientist was trying to isolate the compound in seaweed that made it so savory and tasty.

He succeeded, and the result was MSG: a simple combination of sodium and glutamate (an amino acid) that provides an “umami” sensation on the tongue. Umami roughly translates as “savory”, and is best known as the flavor of rich soup broth.

MSG was quickly launched as a seasoning ingredient by the Japanese company Ajinomoto, which more than a hundred years later is a multinational corporation that offers many, many products (including BCAAs).

MSG … multinational corporation … your alarm bells might be going off. Ever since the 1970s, when “Chinese Restaurant Syndrome” started being mentioned more in medical journals, MSG has taken its place among the other most-demonized foods: high fructose corn syrup, trans fat, etc.

本当はどうなのか?

examine.comのサイトによると、様々な研究結果を俯瞰してみたところ。

MSGの悪影響を報告したほとんどの研究では、短期間に食物を使わずに大量(3g以上)を投与していら。それでもその悪影響は軽度かつ一時的だった。
現実の環境でMSGを食べ物を食べることによって3g以上食べることなどない。食事として摂らないならなおさらである。だからほぼ安全だと言える。
しかし、いくつかの研究は、「グルタミン酸の食品成分としての使用を促進する」ことを目的とした国際技術グルタミン酸塩委員会によって資金提供されたことに注意しなくてはならない。
つまり紐付きの研究もあるから、その場合、研究結果が客観的なものであるかどうかは注意深く調査する必要がある。

Most studies that reported ill effects from MSG had administered large doses (≥3 g) without food over a short period of time, and even then, the ill effects were mild and temporary. Such doses would be hard to reach by eating foods with added MSG in a real-world setting (and it’s very unlikely you would swallow such high doses without food). Please note, however, that some studies were funded by the International Technical Glutamate Committee, whose aim is notably to “promote the uses of glutamates as food ingredients”.

ということで、様々な問題が指摘され、『チャイニーズレストラン症候群』などとセンセーショナルな批判が繰り広げられた割には現在は安全ということが確定的である。という結論であった。

ちなみに「味の素」HPによると

「味の素®」の主な原材料は、グルタミン酸ナトリウムです。グルタミン酸ナトリウムの原料は、日本ではさとうきびです。さとうきびの糖蜜に発酵菌を入れて、醤油や味噌などを作る方法と同じ発酵法でグルタミン酸ナトリウムを作ります。

ということで、味噌やヨーグルトを作るのと同じ工程を経て作られるもの。天然原料を用いて発酵法で作られている製品である。
「化学調味料」という名称は昔NHKで放送するのに「味の素」では商品名なのでそれを使うことができず、便宜的に使われたものの名残であって、決して商品の特性を表していない。

またその安全性であるが。

A. 国際的な公的機関で安全が繰り返し確認されています。

「味の素®」は、人体を構成するアミノ酸のひとつであるグルタミン酸から生まれたうま味調味料です。グルタミン酸は、昆布や野菜のうま味成分であり、うま味調味料としてのグルタミン酸ナトリウムは、食品衛生法上の規定で食品添加物の調味料に分類され、同法に定められた膨大な安全性試験をすべてクリアしています。

 

1987年には世界中の研究機関で行われていたグルタミン酸ナトリウムの安全結果をもとに、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同食品添加物専門家会議(JECFA)が、グルタミン酸ナトリウムの安全性を評価し、「グルタミン酸ナトリウムがヒトの健康を害することはないので、一日の許容摂取量を特定しない」との結果が出されました。さらに1991年には、欧州共同体の食品科学委員会(SCF)でもJECFAと同様の評価結果が出され、1995年にはFDAの委託により、米国実験生物学連合(FASEB)が評価を実施し、この報告書に基づき、FDAが安全性を再確認しました。また2003年には、オーストラリア・ニュージーランド食品基準庁も安全性評価報告書を公表しました。

グルタミン酸ナトリウムの国際的な安全性評価

1958年 アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)がGRAS物質*に認定。
1960年 日本で厚生労働省(当時の厚生省)の食品衛生法に基づき安全と認められる。第1版食品添加物公定書に規格が収載される。
1980年 FDAがGRAS物質として再評価。
1987年 JECFA**で「グルタミン酸ナトリウムが人の健康を害することはないので、一日の許容摂取量を特定しない」と評価。
1991年 欧州連合(EU)で安全性評価が実施され、JECFA同様、「一日の許容摂取量を特定しない」と結論。
1995年 FDAの委託により米国実験生物学会連合(FASEB)が評価を実施。
FASEBの報告書に基づき、FDAが安全性を再確認。
2003年 オーストラリア・ニュージーランド食品基準庁が安全性評価報告書を公表。

*GRAS物質とは、日本の厚生労働省に当たるFDAが「一般に安全と認められる物質」として分類しているものです。
**JECFAは、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同食品添加物専門家会議。国際的視点から食品添加物の安全性を評価する組織として1955年に設立されました。

とあってその安全性については客観的に証明されているとしている。

危ない場合もあるだろう

しかしウィキを観てみると。

なお日本では1972年に味付昆布にグルタミン酸ナトリウムを「増量剤」として使用し、健康被害が起きた事故があった。その症状は中華料理店症候群に似たものであった(頭痛、上半身感覚異常等)が、問題の商品には、製品の25.92%~43.60%のグルタミン酸ナトリウムが検出され「調味料としての一般的な使用」とは程遠いものであった。

グルタミン酸ナトリウムの性質として、味覚から過剰摂取を感知できないという問題がある。通常、塩などの調味料は投入過剰状態になると「辛すぎる」状態となり食べることができないが、グルタミン酸ナトリウムはある程度の分量を超えると味覚の感受性が飽和状態になり、同じような味に感じるため、食べすぎに気づきにくく、また飲食店も過剰投入してしまいがちであり、調味料としての一般的な使用では考えられない分量のグルタミン酸ナトリウムを摂取してしまう場合もある。グルタミン酸ナトリウムのうまみは耳かき一杯程度で十分感じることができる。

また、多量の遊離グルタミン酸を体内で処理できない特異体質者やアレルギー・ぜんそく患者は、摂取すると体調や症状の悪化を招く恐れがあるため注意しなければならない。

ということで、味の素の問題は、調味料の中で唯一過剰摂取を感知できない食品だということである。

フードコンサルタントとの話・・・味の素の過剰摂取には気をつけて

それで一番最初に戻るんだが。
フードコンサルタントが言ってたのも主にラーメン屋での味の素の使い方についてだったことを思い出した。

examine.comでは3g以上食べることなどないなどとあったが、グルタミンナトリウムに関しては一回に3g以上摂取することはありうる。
そのコンサルタントが言っていたのはある有名ラーメン店の話。そこでは客にラーメンを出す際、仕上げにれんげ一杯分の味の素を加えていたんだそうナ。
レンゲ一杯の味の素といえば軽く3gは超えるだろう。
ウィキの例にあった味付け昆布も、もし総量の3割以上の味の素が加えられていたとしたら。
わずか10gの味付け昆布を食べただけで3gの味の素が体内に入る。

味の素の過剰摂取はありがちなことなんである。
ただの味付けであれば耳かき一杯分もあれば十分であるにもかかわらず、なぜそんなに大量に入れるのかといえば、クランのフードコンサルタントの話によれば、それは塩味を感じさせなくなるためなんだという。

塩を一度に大量に摂取すると脳内が美味いと錯覚すると。
ところが塩を多く使用すればしょっぱくなる。
そこで食塩を大量摂取してもしょっぱくないように味の素を大量に入れるんだそうナ。

この説については本当なのかどうか私にはまだわかっていないが(^^ゞ

たしかに有名ラーメン店のスープは私には辛すぎると感じられる。
なので滅多に行くことはないが・・・・・一般に外食した場合味付けが濃いお店が多いことは確かだ。

いつも行く居酒屋の味付けはもっと薄い。
チェーン店に行かないからだが、家で食べるのとそんなに変わらない味付けである。

それで思うんだが。確かに味の素を入れるとしょっぱさは緩和されるだろう。
聞くところによれば本格的なラーメン店でも実は味の素を入れているところは多いという。

「味の素」は体に入るとグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、ナトリウムとに分かれるが、これらは、昆布やかつお節、干ししいたけなどいろいろな食品に含まれている成分と同じもので、昆布から取ろうと味の素から摂ろうと同じことである。
違いは昆布や鰹節から摂った成分の量は微量であろうということ。

そしてグルタミン酸ナトリウムはたしかにそこまで体に害はないのかもしれないが。
塩や砂糖を大量摂取したら体に悪いように、味の素だって大量に食べたらそりゃあ具合が悪くなるだろう。

私は中華料理症候群というのはあるんだと思う。
だがそれは味の素それ自体が悪いというよりは、過剰に入れるお店の責任が大きい。
味の素を大量に使った料理がまずいのは気を使っていないからなんだと思う。
微妙な味付けをこなして、そこに少量の味の素を入れるぐらいであればなんの問題も起きない。

味の素を毛嫌いする必要はないが。
使用量には気をつけたい。
というのが今回の結論かな。

マリちゃん静止画1

フィリピンでは味の素は結構使ってるよ

がっちゃん静止画1

フィリピン料理は旨味とかいうそれ以前の問題だね。甘いか辛いか酸っぱいか苦いか。旨味という概念がないからね。使い方が日本人の感覚と違う。結構辛い。

あ、でも最近は変わってきてるから味付けの良いものも食べられるようになってる。

がっちゃん静止画1

いやあフィリピン料理は美味しいわ(^^ゞ大好きだな、僕ちゃんは。

ってことで味の素は量に気をつけさえすれば体に害はないんで、使ってもいいという結露なんだが。
そうなるとあまり神経を使わなくてもいいので嬉しい。
なんせいたるところの食材に使われているから。
大丈夫と知って嬉しい。

ただし外食は日本でも要注意ってことだね。

ってことで今回はここまで。